能力者しりとりバトル 2回戦 かい vs ひゅげ

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一つ前⬇︎

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喧騒の中、かいはステージ裏で深呼吸をしていた。

 

さあ、俺の出番だ。

 

いつも舞台とは少し違うけれど、舞台に立つこと自体は同じ。

そして舞台の上で俺は嘘をつけない。

薬を嚙み砕く。前を向く。

さあ、最高の芸を見せてやる。

 

f:id:ikopu:20180715120017p:plain「次の一戦は・・・ひゅげ vs かいぃぃい!!」

 

その時、名前を呼ばれステージ飛び出そうとするカイの背中に、ぼすん、と何かが当たった。

f:id:ikopu:20180716154749p:plain「おおっと」

f:id:ikopu:20180716171002p:plain「あ、ごめん」

振り返ると、対戦相手のひゅげ氏だ。どうやら、よろけてかいにぶつかってしまったらしい。その息は荒く、白い頬は薄桃色に上気して見えた。

 

f:id:ikopu:20180716171002p:plain「さあ〜戦うよ」

よろよろとステージに向かうひゅげから、ふわっとアルコールの匂いがした。かいが振り返ると、ひゅげが座っていた机には何本もの瓶が転がっている。

f:id:ikopu:20180716154749p:plain「お、おい・・・あんた大丈夫か」

f:id:ikopu:20180716171002p:plain「心配ないよ〜・・・」

 

かいはひゅげを支えようとしたが、思いとどまる。

これから戦う相手だ。

彼女もいろいろなものを背負っているのだろうが、今の俺に人の業まで背負う余裕はない。非情なようだが、俺は、俺の道を進ませてもらうぞ。

 

かいは自らを鼓舞するように手を叩きながら、ステージに飛び出すのだった。

 

2回戦第2試合

かい vs ひゅげ

 

 

 

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ひゅげは朦朧としていた。

ステージに出たはいいけれど、椅子はどこだろう。

世界が明るい。

お酒のおかげで痛みは抑えられたけれど、

ちょっと飲みすぎたかな。

ふわふわする。

 

ひゅげは、椅子の周りでふらふらと歩き回る。

 

f:id:ikopu:20180716171002p:plain「おっす。あれ?座れないんだけど」

 

f:id:ikopu:20180715120017p:plain「気合いで」

 

f:id:ikopu:20180716171002p:plain「おういぇい」

 

f:id:ikopu:20180715122015p:plain「ひゅげさん、完全に酔ってる」

 

ぐるぐると周りながら定位置の椅子に座るひゅげ。

さあ、ふじちゃん。やれるだけやってみるからね。

 

 

f:id:ikopu:20180715120017p:plain「では先行はかい!バトルスタート!」

 

f:id:ikopu:20180716154749p:plain「必殺・・・・卍固め!」

 

その言葉が発せられた瞬間だった。

会場の照明が落ちる。真っ暗になる。

 

f:id:ikopu:20180715161258p:plain「なんだ・・!?」

 

一瞬の暗闇を切り裂くように、バっという音とともに、

ステージに真っ白な光が降り注いだ。

どこからともなくボンバイエ、ボンバイエという歓声が会場に響き始める。

 

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さあ猪木さん・・・闘魂のリングを、始めますよ!!!

かいは両手をひろげ、ファイティングポーズをとる。

 

カァーン!!とけたたましいゴングの音が鳴り響いた。

 

 f:id:ikopu:20180715120017p:plain「発動!かい選手の『卍固め』により、以後ひゅげ選手は猪木っぽい単語しか答えられません!」

 

f:id:ikopu:20180715122015p:plain「猪木っぽい単語!!」

f:id:ikopu:20180727103752p:plain「どういう単語よwww」

 

能力名:卍固め

卍固め!と叫んだら発動。以後相手は猪木っぽい言葉しか言えない。

 

 

f:id:ikopu:20180728115223j:plain「さあ発動しましたかい選手の『卍固め』!出し惜しみせず使ってきましたね解説のノンブルさん」

f:id:ikopu:20180728115612p:plain「そうですね、かい選手は全試合でひゅげ選手の能力を見ています。おそらく彼女の能力の発動条件まではわかっていないものの、即死能力であることまでは知っていますからね・・・長期戦は不利と見たのでしょう」

f:id:ikopu:20180728115223j:plain「なるほど、さあこの先手必勝作戦がどう試合を動かすのか!」

 

 

f:id:ikopu:20180715120017p:plain「能力発動のための叫び、卍固めはしりとりには含めないことにします。改めて先行はかいです」

 

かいは青いマントを翻す。

全力でいかせてもらうぞ、ひゅげ殿!!!

 

f:id:ikopu:20180716154749p:plain「アンルシア!」

 

f:id:ikopu:20180728115223j:plain「さあアで始まる猪木っぽい単語だ!ひゅげ氏これを受け切れるか!」

 

f:id:ikopu:20180728115612p:plain「これは厳しいでしょう、うら若き女子が猪木を知っているかどうかも疑問です、勝負あったと言えるでしょうね」

 

 

f:id:ikopu:20180716171002p:plain「ああ・・・はい。そういうことね・・・」

 

「あやぶむなかれ!」f:id:ikopu:20180716171002p:plain

 

f:id:ikopu:20180715120017p:plain「グレイト!!!」

 

f:id:ikopu:20180728115223j:plainか、返したー!そして今大会始めてのグレイトがでましたー!」

f:id:ikopu:20180728115612p:plain「これは素晴らしいですよ!ひゅげ選手の守備範囲の広さにはノンブルも脱帽です!」

f:id:ikopu:20180715122015p:plain「すげぇーー!!」

 

捲き起こる大歓声。

その言葉を聞いたかいには、ひゅげの姿が一人のファイターに重なって見えた。

脳内に声が響く。

 

 

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この道を行けばどうなるものか

危ぶむなかれ 危ぶめば道はなし

 

 

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踏み出せばその一足が道となり

その一足が道となる

迷わず行けよ

行けば分かるさ

 

f:id:ikopu:20180716154749p:plain 猪木さん・・・・!!!!!!

 

f:id:ikopu:20180716154749p:plain「ギブアップします」

 

f:id:ikopu:20180715122015p:plain「えええええええ」

f:id:ikopu:20180728115223j:plainぎ、ギブアップ宣言だー!!」

 

f:id:ikopu:20180715120017p:plain「かいOVER !!ひゅげ、WIN!」

 

f:id:ikopu:20180716171002p:plain「おあ」

 

その瞬間ステージはせり下がり、実況の人とかも空へと消えていった。

もとどおりの薄暗い会場のステージで、かいはひゅげのもとに歩み寄る。

 

f:id:ikopu:20180716154749p:plain「尊敬する猪木さんに戦いは挑めません」

 

握手する二人。

 

f:id:ikopu:20180715124135p:plain「漢をみた」

 

猪木さんとは戦えない。

かいは満足げにうなづくと、ステージの裏に戻っていった。

 

f:id:ikopu:20180728115612p:plain「これはよほどひゅげ選手の対応が完璧だったというわけでしょう。かい選手の闘争心をへし折り、心服させるほどに」

f:id:ikopu:20180715122015p:plain「ねえノンブルまだ実況してる」

f:id:ikopu:20180715162710p:plain「気に入ったみたいね」

 

 

 

 

  

 

ステージの裏の控え室。

ステージの喧騒をよそに、かおりしゃんは一人、ウロウロとしていた。

 

f:id:ikopu:20180720225011p:plain「あーもう、コンセントどこー?」

 

スマホと充電器を両手に歩き回っていた。

スマホの充電が切れてしまっていたのだ。

 

f:id:ikopu:20180721002539p:plain「あ、私のバッテリー貸してましょうか?」

 

f:id:ikopu:20180720225011p:plainあ、ありがとう。電池きれちゃって」

 

ほしみに借りたモバイルバッテリーを差し込む。

息せきLINEを開く。

 

 

 

 

未読ー・・・。

 

でも、あの人がこんな時間に寝ちゃうはずがない。

 

 

 

 

f:id:ikopu:20180720225011p:plain「ふうん・・・」

 

f:id:ikopu:20180715114611p:plain「わあなんだなんだ寒い」

 

控え室の温度が急速に下がっていく。

f:id:ikopu:20180721002539p:plain「ちょ、ちょっと?」

 

f:id:ikopu:20180720225011p:plain「ねえ、あなた・・・お付き合いしてる人、いる?」

f:id:ikopu:20180721002539p:plain「え?なにいきなり。いるけど」

f:id:ikopu:20180720225011p:plain「ふうん・・・独身の人?」

f:id:ikopu:20180721002539p:plain「え、あたりまえじゃない」

f:id:ikopu:20180720225011p:plain「あたり・・・まえ・・・?」

 

その瞬間。

控え室に吹雪とも言えるような冷気が吹き荒れた。

ほしみは素早く黄色い傘でそれを受け流す。

しかし近くにいたサワッチはその直撃を受けた。

 

f:id:ikopu:20180715114611p:plain「ワア ナンダカ サム」

 

完全に凍りついたサワッチを見つめ、ほしみは、しかしにやりと笑った。

 

f:id:ikopu:20180721002539p:plain「へえ・・・やるじゃない」

f:id:ikopu:20180720225011p:plain「次の戦い・・・あなたとだったよね・・・」

 

かおりしゃんは浮いていた。

全身から絶対零度の冷気を放ちながら、その赤い双眸が煌々と暗い光を放っている。

 

f:id:ikopu:20180720225011p:plain「面白い勝負になりそう、ね」

 

ほしみは目を閉じ、黄色い傘をくるくると回した。

 

f:id:ikopu:20180721002539p:plain「こんな寒くしちゃって?」

 

その傘を中心として、冷気の奔流が押し返されるように、暴風が控え室の中に吹き荒れる。吹き飛ぶサワッチ。目を開けたほしみの蒼い目は、強く輝いていた。

 

f:id:ikopu:20180721002539p:plain「あたたかい雨をふらせなきゃね・・・赤い、雨をね?

 

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 控え室はなんかもうすごいことになっていた。

 

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