第2回能力者しりとりバトル 1回戦第5試合 サワッチ vs ジュイ

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(一つ前の試合)

ikopu.hatenadiary.jp

 

 

f:id:ikopu:20181030105500p:plain「そうですか・・・力を、求めるのですね」

f:id:ikopu:20181030102733p:plain「はい。アレフガルドの地に伝わる伝説の虹の力。それがどうしても必要なのです」

 

そこは冷たく薄暗い祠の中。

一人の神官と、シルクハットをかぶった一人の男が対峙していた。

 

f:id:ikopu:20181030105500p:plain「あなたのその目の奥に宿る闇の力。その力をもってしても、不足だというのですか」

f:id:ikopu:20181030102733p:plain「私の力は希望と、そして絶望を統べる。しかし、それだけではきっと勝てない・・・今度の戦いは、もっと恐ろしい戦いになる」

 

神官は、その男の目に揺蕩う深淵を覗き込んだ。

地獄をくぐり抜けてきた男の目だ。

だが、その闇は濁ってはいない。

純粋な闇。

照らされる光に依って、悪とも、善とも変わりうる。

 

f:id:ikopu:20181030105500p:plain「ー良いでしょう。あなたを信じましょう。にじのしずくを手に入れるのです」

f:id:ikopu:20181030102733p:plain「にじのしずく」

f:id:ikopu:20181030105500p:plain「にじのしずくを手に入れるためには、雨雲の杖、太陽の石が必要になります。まずはそれから手に入れるのです」

 

雨雲の杖

 

 

鬱蒼と茂る森の奥底に、古ぼけた尖塔が立ちすくんでいた。

その内部には多くの魔物が徘徊する。

その頂塔にたどり着いたサワッチの体は、ぼろぼろに傷つき、血にまみれていた。

軋む体に鞭をうち、大きな扉を開くと、そこには薄明かりに輝く女性が立っていた。

 

f:id:ikopu:20181030110654p:plain「ついに きてくれたのたね エックス」

f:id:ikopu:20181030110654p:plain「わたしは ルビスのせいれい あのひ あなたのこころによびかけたのは わたし」

 

f:id:ikopu:20181030102733p:plain「あっきっとそれ人違いです 私はサワッチ」

 

f:id:ikopu:20181030110654p:plain 「・・・勇者じゃないッ!何奴!」

f:id:ikopu:20181030102733p:plain「ご無礼いたす」

 

サワッチの扇がひらめく。

ピンク色の竜巻がルビスの精霊を多い、体を浮かせる。

 

f:id:ikopu:20181030110654p:plain「ぐ、ぐぁーーーーーーっ」

 

大きな爆発とともに精霊は霧散する。

塵と化したその跡に、一本の古ぼけた杖があった。

 

f:id:ikopu:20181030102733p:plain「これが・・・雨雲の杖」

太陽の石

f:id:ikopu:20181030112249p:plain「しかしサワッチさん、本当にやるんですか」

f:id:ikopu:20181030102733p:plain 「はい、ラダトーム城にあるという太陽の石・・・しかし私にはどうしても見つけられなかった。ならば、もうこの手段しかありません」

f:id:ikopu:20181030112249p:plain「わかりました、それでは、しっかり捕まっていてくださいよ・・・3・・・2・・・1・・・ライドオン!」

 

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ボシュアアアアア

 

 

f:id:ikopu:20181030112249p:plain「見えましたよサワッチさん!」

f:id:ikopu:20181030102733p:plain「・・・」

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ゴゴゴゴゴゴゴ

 

 

 

f:id:ikopu:20181030112249p:plain「ああーッ!これ以上は近づけません!フレアがすごい!フレアが!」

f:id:ikopu:20181030102733p:plain「やっぱり行くの」

f:id:ikopu:20181030112249p:plain「じゃあ、サワッチさん!頑張ってきてくださいね!サワッチゴー!!ポチ」

f:id:ikopu:20181030102733p:plain「アアアアア」

 

 

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f:id:ikopu:20181030112929g:plain「マヒャデドス!!マヒャデドス!!!心頭滅却!!アアアア!!アアアアアアアアア!」

 

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「これが・・・太陽の石・・・!!!」

 

にじのしずく

f:id:ikopu:20181030113313p:plain「ほう、たしかにこれは雨雲の杖、太陽の石。ところであなたすごい火傷ですけど大丈夫ですか」

f:id:ikopu:20181030102733p:plain「にじのしずくをください」

f:id:ikopu:20181030113313p:plain「申し訳ない・・・一歩遅かったようです。すでに、にじのしずくはオルテガという男に渡してしまいました」

f:id:ikopu:20181030102733p:plain「なんてことを」

 

 

 

 

 

 

f:id:ikopu:20181030103006p:plain「やっと・・・やっとだ・・・これでゾーマの城にいけるぞ!このリムルダールの岬に、このにじのしずくを使えば」

f:id:ikopu:20181030102733p:plain「そこまでだ」

f:id:ikopu:20181030103006p:plain「誰だ!」

f:id:ikopu:20181030102733p:plain「そのしずく、渡してもらおう」

f:id:ikopu:20181030103006p:plain「な、なぜだ!俺はこれでゾーマの城に渡り、魔王を倒さなければならないんだ」

f:id:ikopu:20181030102733p:plain「気持ちはわかる。しかし私にも事情が・・・バギクロス!!」

f:id:ikopu:20181030103006p:plain「な、ナパァー!!!」

 

 

 

f:id:ikopu:20181030102733p:plain「やっと手に入れたぞ・・・これが、にじのしずく」

f:id:ikopu:20181030103006p:plain「なんてことだ・・・これでゾーマの城には行けなくなってしまった・・・」

f:id:ikopu:20181030102733p:plain「いかだで行けばいい」

f:id:ikopu:20181030103006p:plain「・・・」

 

希望絶望レインボウ

f:id:ikopu:20181030105500p:plain「戻りましたか」

f:id:ikopu:20181030102733p:plain「はい、それで、このにじのしずくをどうするのですか」

f:id:ikopu:20181030105500p:plain「あなたの、シルクハットに振掛けるのです」

 

サワッチは言われるがままに、そのしずくをシルクハットにふりかけた。

すると、シルクハットは眩く、虹色に輝き始めた。

 

f:id:ikopu:20181030102733p:plain「これが・・・にじのしずくの力・・・」

f:id:ikopu:20181030105500p:plain「そう、能力は希望絶望レインボウ・・・!この能力が発動すれば、世界は流転し、とめどなく変化し続ける」

f:id:ikopu:20181030105500p:plain「あなたなら、使いこなせるでしょう。勝ってくるのです、サワッチ」

f:id:ikopu:20181030102733p:plain「・・・アレフガルドの力、しかと受け取った」

 

サワッチはシルクハットを被り直した。

今度こそ、負けられない。

俺に夢を託して散っていった、ルビスの精霊、オルテガ、NASAの隊員のためにも・・・。

 

 

1回戦第5試合 サワッチ vs ジュイ

前半戦の盛り上がりから、少しの休憩を挟んだ会場は穏やかに騒めいていた。

誰々のあの能力は強い、あの能力との相性が悪い・・・

第一回を経て、観客もこの「能力者しりとりバトル」の見方も、玄人じみてきている様相だった。

 

そして、前回の第一回能力バトルの初戦、能力同士が絶望的にまでに噛み合ったあの伝説の試合・・・サワッチvsハッチ戦を知るものも多い。

 

強力な4つの能力を持つサワッチの「ゲルニカ」が、ハッチの「ストレンジカメレオン」の能力の前に手も足も出ず激敗したあの試合。

あの戦いは初戦にして、能力者バトルの真髄を内包する戦いであった。

 

そして、次の戦いは、そのリベンジに燃える男の戦い。

おそらく、相当に磨き上げられた能力で挑んでくるだろう。

観客たちの期待も一入高まっていた。

 

f:id:ikopu:20181014131959p:plain「さあ・・・それではいよいよ後半戦に突入します」

f:id:ikopu:20181014131959p:plain「出場者は・・・サワァアアアッッチ!!!」

 

 

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半裸の男が、壇上に飛び乗った。

ざわめく会場。なぜ半裸・・・?

いや、しかし深い考えがあるのかもしれない。

 

 

f:id:ikopu:20181014131959p:plain「そして対戦者は・・・・ジュイィイイイイイ!!!」

 

名を呼ばれて、緑色のナースキャップを被ったエルフの女が登場した。

彼女は少し照れくさそうに会場を見渡す。

会場から、黄色い声援が上がった。

 

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その声を聞いて、ジュイは嬉しそうに微笑んだ。

 

f:id:ikopu:20181030132926p:plain(おやおや・・・お友達ですか)

f:id:ikopu:20181030132926p:plain(しかし、この戦いに、そんな学校の発表祭のような気分で来ていいのかね)

 

サワッチは、あの日以来毎晩のように見る夢を思い出した。

 

f:id:ikopu:20180715120017p:plain「ハッチ選手の能力発動により、ハッチ選手のターンはパスされます」

f:id:ikopu:20180715120017p:plain「サワッチ選手、「る」です」

 f:id:ikopu:20180715114611p:plain「なに!?」 

f:id:ikopu:20180715115401p:plain「これは・・・語尾に「る」が続くんだから、サワッチさんが10回言わなきゃ、だよね?」 

 

f:id:ikopu:20181030132926p:plain(もう、あの過ちは繰り返さない)

f:id:ikopu:20181030132926p:plain(このニューカマーに、能力者同士の戦いの恐ろしさを、教えてあげるとしよう!)

 

キッとジュイの目を睨みつけるサワッチ。

ジュイはニコニコと会場に手を振っていたが、サワッチの視線に気づくと、胸に手を当てて言った。

 

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その瞬間、ジュイの目に赤い光が灯った。

 

 

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一点、会場にはりつめる毒々しい邪気。

ニューカマー・・・しかし、それ以前にやはり彼女は、能力者なのだ。

うっすらと手ににじむ冷や汗を感じながら、サワッチは背後に隠し持ったシルクハットを握りしめたのだった。

 

 

 

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f:id:ikopu:20180715120017p:plain「先行はサワッチ」

f:id:ikopu:20181030132926p:plain「りんご」

 

そう言うやいなや、サワッチは赤く燃え盛るように輝き始めたシルクハットをかぶる。

シルクハットからはまばゆい光が溢れ、サワッチの体にまとわりつき、収斂する。

その光が止んだころ、そこには赤い怪盗が立っていた。

 

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f:id:ikopu:20180715120017p:plain「発動!サワッチの『希望絶望レインボウ』!」

 

 発動能力:希望絶望レインボウ

どちらかが水分を含んだ単語が出た場合に発動する。

以後、サワッチのかぶるシルクハットの色しか答えられない。

シルクハットの色は、1単語ごとに赤➡︎黄➡︎緑➡︎青➡︎白➡︎黒➡︎ピンク➡︎赤と変化する。1週回って赤になったら、サワッチは死ぬ。

術者が7文字以上の単語で回答した場合能力は解除される。

 

f:id:ikopu:20181030134827p:plainババーン

 

f:id:ikopu:20181011060733g:plain「シルクハットの色で制限する能力・・・!」

f:id:ikopu:20181016071625p:plain「色縛りか・・・しかし、この能力問題があるぞ・・・そうそれは」

 

 

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(会場に溢れる声)

 

f:id:ikopu:20181016071625p:plain「サワッチが表示されてないから何色かわからない」

 

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(運営を頑張る司会者と能力者)

 

 

f:id:ikopu:20181030134850p:plain(能力勝負は先手必勝・・・最初から、使わせてもらう!さあ、返せるかジュイ!)

 

能力の発動とともに、ジュイの身体は無数の赤い絹の糸に蝕まれていた。

身動きが取れない中、ジュイは考える。

「ご」で始まる・・・赤いもの・・・?

 

 

 

 

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f:id:ikopu:20181030132601p:plain「いきなり何も浮かばないwww」

 

 

その言葉を聞いて、にやりと微笑むサワッチ。

観客も騒めく。

 

f:id:ikopu:20181011060733g:plain「確かに・・・浮かばないww」

 

観客に心配そうに見守られながら、ウンウンと考えるジュイ。

 

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(正気をなんとなく取り戻したぺけぴー)

 

 

 

その様子をみて、サワッチは泰然として言った。

 

 f:id:ikopu:20181030134850p:plain「これゴはきつかったかな・・・」

f:id:ikopu:20181030134850p:plain「かえる?」

 

f:id:ikopu:20181016071625p:plain「よ、余裕だ」

 

圧倒的優位に情けをかけようとするサワッチ。

しかし、その時彼は気づいてはいなかった。

 

 

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先ほどまで背後に控えていた、かおりしゃん、そしてぷにゃりんの姿がなくなっていることに・・・。

 

 

 

(その裏、PTチャットにて)

 

f:id:ikopu:20180715120017p:plain「かおりしゃん、ぷにゃりん」

f:id:ikopu:20180715120017p:plain「ジュイの能力が発動しないか・・・会場を見回って、体調が悪そうな人がいないか回ってきてください)

 

f:id:ikopu:20181014130701p:plain「らじゃー」

f:id:ikopu:20181014132032p:plain「まかせて!」 

 

・・・

 

f:id:ikopu:20181014130701p:plain「ここに、寝てる人がいる!」

f:id:ikopu:20181014132032p:plain「倒れてる!」

f:id:ikopu:20180715120017p:plain「・・・!」

 

 

その瞬間、ジュイの緑色のナースキャップから、禍々しい妖気が噴出した。

据えたような、消毒液の匂いが会場中に充満する。

それは、病院で嗅ぐような、特有の匂いー。

 

f:id:ikopu:20180715120017p:plain「ジュイの能力が発動!!」

f:id:ikopu:20180715120017p:plain「おたんこナース」

 

発動能力:おたんこナース

誰かが体調を悪そうにしていたら発動。

以後、相手は病名しか言えない。

また、自分は「お大事に」しか言えない。

 

f:id:ikopu:20180715120017p:plain「以後、サワッチは病名しか言えません」

f:id:ikopu:20181030134850p:plain「wwwwwwwwww」

 

f:id:ikopu:20181016071625p:plain「病名縛り・・・これは、キツイ制約」

f:id:ikopu:20181011060733g:plain「そんな強い能力・・・何かの制約もありそうだけど・・!?」

 

発動した二つの能力に、盛り上がる会場。

そして、観客は気づく。

このターン、ジュイが返した場合、次のターンサワッチは「赤い病名」の単語になることに。

 

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病名しばりだけでもかなりの制約であるが、そこにさらに自らの能力である「色」縛りも加わる。

サワッチのリターンはかなり厳しいだろう。

だが、しかし。

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それも全て、ジュイが「ご」で始まる赤いものを返せるか次第である。

 

f:id:ikopu:20181030132601p:plain「・・・」

 

帽子から妖気を振りまきながら、しかし顔を真っ赤にして悩むジュイ。

赤い「ご」、赤い「ご」・・・・

 

無情にも、時間が流れ、司会の男が声を上げる。

 

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f:id:ikopu:20181030132601p:plain「まってwwwまってwww」

 

f:id:ikopu:20180715120017p:plain「5・・・4・・・」

 

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f:id:ikopu:20180715120017p:plain「3・・・2・・・」

 

 

f:id:ikopu:20181030134850p:plain(行ける・・・か?!)

 

冷や汗を握りしめながら、サワッチは赤い絹糸でジュイを縛り付け続ける。

返されたら、厳しい。決まってくれ、希望絶望レインボウで、一撃で・・・!

 

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f:id:ikopu:20181030132601p:plain「!」

 

 

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(午後ティーストレート)

 

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f:id:ikopu:20180715120017p:plain「セーフ!」

f:id:ikopu:20181030132601p:plain「やったーwww」

 

 

 

 

そのリターンの瞬間、サワッチのシルクハットは再び光り輝く。

赤い光線は、だんだんとその色を変えていく。

 

f:id:ikopu:20180715120017p:plain「ここで、サワッチの希望絶望レインボウがさらに発動!」

f:id:ikopu:20180715120017p:plain「サワッチのシルクハットは黄色くなります!」

 

f:id:ikopu:20181030144532p:plain

 

f:id:ikopu:20181030132601p:plain「ころころ変わるのねwww」

 

黄色い絹の糸を全身にまとわせながら、サワッチは感じていた。

ジュイから発せられる、緑色の妖気にすくめ取られ、悪寒が止まらない。

 

返された。

ということ、は・・・。

 

f:id:ikopu:20180715120017p:plain「サワッチさん」

 

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f:id:ikopu:20181016071625p:plain「黄色い病名ってなんだ」

f:id:ikopu:20181011060733g:plain「これはwwww大変だ!」

 

 

騒めく会場。

「病気に色って辛いw」

「哲学的ですらあるww」

難解な回答に制約された状態に、会場も動揺が隠せない。

 

 

バカな・・・一体どうしてこんなことに・・・

今回の能力こそ無敵だったはず・・・・ 

いや、負けたわけじゃない!!

これを返せば、まだわからない!

 

病名・・・!

黄色い病名・・・・!

 

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応援の歓声が耳から遠ざかっていく。

集中の極限に達したサワッチの頭に無数の病気が浮かぶ。

その中・・・一番黄色っぽい病名は・・・

 

サワッチは、カッと目を開いた!!

 

f:id:ikopu:20181030144633p:plain糖尿病」

 

 

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沈黙が訪れる。

 

そして、しかし、司会者はゆっくりと首を振る・・・。

 

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f:id:ikopu:20180715120017p:plain「黄色くありません!!」

 

 

f:id:ikopu:20180715120017p:plain「サワッチOVER!!!、ジュイ、WIN!!」

 

サワッチは、泡を吹き、崩れ落ちた。

黄色いシルクハットは、もはや輝きを失い、黄色く艶がかった光沢を放つのみとなる。

そして歓声に溢れる会場からは、しかし、とめどない拍手が送られていたのだった。

 

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ジュイの応急処置により、サワッチはすぐに意識を取り戻した。

その手はとても暖かく、傷ついた体がみるみる軽くなるように感じた。

f:id:ikopu:20181030132601p:plain「大丈夫?」

f:id:ikopu:20181030144633p:plain「天使・・・は、いや、ありがとう」

 

サワッチは立ち上がった。心配そうに見つめる観客たちに向かって言う。

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拍手に包まれる会場。

サワッチは、まっすぐに経つと、ゆっくりと着替えながら、会場全体を練り歩くのだった。

 

 

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赤、黄色、緑、青、白、黒、ピンク。

虹色のシルクハットがその色を周回したとき、サワッチは椅子に座った。

 

勝てなかった。

全力を尽くしたのに。一体どうして。

 

その時、サワッチの脳裏に声が響いた。

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相性・・・・

 

いや、本当それだった。

 

 

  

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なお、「と」で始まる黄色い病名は多分「特発性門脈圧亢進症」が正答になります。

 

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