能力者しりとりバトル 1回戦 サワッチvsハッチ

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イベントプロローグ〜出場者紹介

 

 

能力者しりとりバトル 対戦表

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薄暗い洋館の広間。

怪しげな松明がぼんやりと辺りを照らし、不思議な赤紫色の光を放つ照明具は中央のステージを明るく彩っていた。祭壇の前に立つ不気味な仮面の男は、両手を掲げ叫ぶ。

 

f:id:ikopu:20180715120017p:plain「サワァーーーーァーーッチ! !」 

名を呼ばれ、サワッチはゆらりと立ち上がった。

 

f:id:ikopu:20180715114611p:plain「しりとりはゲルニカ」

 

誰に伝えるでもなく、呟く。その声色には、絶対の自信がにじみ出ていた。

控え室で並ぶ中、察することができた。自分の能力が、この16人の中でも抜きん出ていることに。もちろんその具体的な能力まではわからないが、オーラの絶対量の差は明らかだ。負けるはずがない。4つのゲルニカ・・・この能力に、隙はない。

サワッチは胸の首飾りを握りしめる。数多の犠牲を背負った。この怪しげな能力者バトルへの招待状に記されていた「あの文言」が本当だとすれば・・・俺は負けるわけにはいかない。

ステージに立つと物好きな観客達の雑言をかき消すように、対戦相手の名が呼ばれた。

f:id:ikopu:20180715120017p:plain「ハァーーーーッチ!!!」

ステージ奥から、オーガの女性が現れた。ふん、彼女が対戦相手か。ここに現れた以上、彼女もなんらかの業を背負い、そして負けられない理由があるのだろう・・・。緊張しているのか、口元をキッと結び硬い表情を浮かべる彼女を見つめ、サワッチは少し心が揺らぎそうになった。いや、いけない。弱い者を守るためには、犠牲も必要だということを、俺はあの戦争で嫌という程知ったはずじゃないか。ただ、勝つ。たとえ相手が女性だろうと、子供であろうとも・・・一つの情けもかけはしない。

 

f:id:ikopu:20180715115401p:plain「国家斉唱・・・アウイェーー!!」

 

リンと張り詰めた声で、突然歌いだすハッチ。彼女の母国の歌だろうか。短くも心に懐郷の念を抱かせるようなその不思議な旋律・・・。彼女は歌い終わると、サワッチを見据えた。その目にすでに緊張の色はない。戦闘民族、オーガの気高き燃える双眸を受け止め、サワッチは少し安心した。無力などではない、彼女もまた、戦士。

 

f:id:ikopu:20180715120017p:plain「それでは運命の第一回戦、開始! サワッチ選手の先攻です、どうぞ!」

 

 

ーただ、勝つ。このマリア像にかけて。

 

 

 

1回戦第1試合

サワッチ vs  ハッチ

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f:id:ikopu:20180715114611p:plain「リズミカル」

 

その瞬間だった。

先行のサワッチの、第1手目。

言葉をいい終わるやいなや、サワッチの体の周りに、青色のオーラが輝きはじめた。能力の発動である。

 

【発動能力:第3のゲルニカ】

「る」で終わった言葉が出た場合、以後10回は「る」で終わる言葉しか使えない 

 

先行をいただいた以上一出し惜しみはしない。初手からこの最強の能力、第3のゲルニカでケリをつける。

f:id:ikopu:20180715114611p:plain「第3のゲルニカ発動!」

f:id:ikopu:20180715120017p:plain「サワッチ選手の『第3のゲルニカ』が発動。以後10回は「る」で終わる言葉を続ける必要があります」

 

これ以降、10ターンは「る」で始まり「る」で終わる言葉しか使えない。しかし、そのような言葉はこの世に数えるほどしかないし、突然思い浮かぶわけもない。10ターンも当然持つわけがない。だが、私は何個かそのような言葉のストックをいくつか持っている。

早くも勝利を確信したサワッチは、隠しきれない笑いを浮かべる。

 

f:id:ikopu:20180715114611p:plain「はっはっは」

 

しかし、その瞬間、気づく。相手のオーガの・・・ハッチの全身から、赤いオーラがにじみ出ていることに。彼女は笑っていた。

 

f:id:ikopu:20180715114611p:plain「なんだと!」

f:id:ikopu:20180715115401p:plain「能力発動・・・ストレンジカメレオン!」

 

【発動能力:ストレンジカメレオン】

相手が最後が「る」で終わる言葉を使用した時に発動。

次のハッチのターンはパスされる。

 

f:id:ikopu:20180715120017p:plain「ハッチ選手の能力発動により、ハッチ選手のターンはパスされます」

f:id:ikopu:20180715120017p:plain「サワッチ選手、「る」です」

 

 f:id:ikopu:20180715114611p:plain「なに!?」 

 

初手から互いの能力が発動するという、想像を超えた展開に、観客達もざわめいていた。

 

f:id:ikopu:20180715122015p:plain「俺は観客のプリック・・・おいおい、これはどういうことだよ。第3のゲルニカは「る」で始まって、「る」で終わる言葉を続ける能力で・・・。ストレンジカメレオンは「る」で終わるときターンをパスできるってことだろ・・・?」

 

そんなバカな。そんな、バカな・・・!

サワッチはすべてを理解し、そして全身から溢れる出す冷たい汗を感じた。

燃える双眸のオーガは、そんなサワッチに向け言う。

 

f:id:ikopu:20180715115401p:plain「これは・・・語尾に「る」が続くんだから、サワッチさんが10回言わなきゃ、だよね?」

 

静寂が訪れる。足が震え始める。

バカな、そんなバカなことが・・・。

 

f:id:ikopu:20180715114611p:plain「ルール」 

 

f:id:ikopu:20180715120017p:plain「再びハッチ選手の能力発動により、ハッチ選手のターンはパスされます」

 

暗転する。まさか、こんな俺にとって、最悪の能力にぶちあたるなんて・・・。

混濁する意識の中、燃えるマリア像が見えた気がした。彼女の顔はもはや原型を失われていたが、今ならわかる。あの時、彼女の顔は・・・泣いていたんだ。

 

f:id:ikopu:20180715114611p:plain「ルクセンブルク」 

 

f:id:ikopu:20180715120017p:plain「語尾が「ク」!アウトです」

f:id:ikopu:20180715120017p:plain「サワッチOVER!!ハッチ選手の勝利です!」

 

f:id:ikopu:20180715115401p:plain「アウイェーーー!!」

 

膝から崩れ落ちるサワッチ。終わった。

能力の強さでは明らかに俺が上だったはず・・・どうして・・・。

 

f:id:ikopu:20180715122015p:plain「最悪の相性だ」

f:id:ikopu:20180715122015p:plain「このしりとりバトル・・・必要なのは強さだけじゃない・・・むしろ強運・・・勝ち残るのは、神に見初められし者・・・」

 

 

f:id:ikopu:20180715120017p:plain「さあ、次の闘いに参りましょう・・・次の戦いは・・・」

 

辺境の薄暗いの洋館の一室で、異様なまでに盛り上がる観客達の熱気と、まだ見ぬ能力者達の不気味な胎動。

この長い夜は、まだ始まったばかりー。

 

 

控え室ー。

ハッチは大きなため息を着くと、控え室に戻った。にじみ出る汗。間違いなく強敵だった、でも、私の能力がその上をいった。拳をぎゅっと握りしめる。いける、戦える。絶対に、優勝するー。

その時だった。

f:id:ikopu:20180715124135p:plain「『る』がトリガーになるのか」

隣からぼそりと声が聞こえた。薄暗い中に見える、ピンク色のアフロヘアーのオーガだ。その目はサングラスに隠されて、表情はうかがえしれない。

f:id:ikopu:20180715115401p:plain「なん・・・だと」

f:id:ikopu:20180715124135p:plain「その能力、果たして2回戦以降で・・・通用するかな、ククク・・・」

冷たいナイフで心臓をえぐられたようだった。そうだ、この勝負、まだ続く。そしてこの戦いで、私の能力は全員にほぼ知られてしまった・・・。

一瞬、取り返しをつかないことをしてしまったのか、という気持ちになる。しかし、冷静に考えればそれはきっと、これからの対戦者たちも同じことだ。

ー情報を、集めないと。

ハッチは顔をあげ、ステージを見つめた。そこには小さなプクリポと、派手な格好のウェディがいた。試合はトーナメント、あの二人のどちらかが私の次の相手になる。ううん、そして彼らだけじゃない。これからの試合で戦うことになる、すべての相手の能力を知ること・・・それがこれからの戦いに勝つための絶対条件になる。

ハッチは再び拳を握りしめた。誰であろうと絶対に、負けるわけにはいかない。私には、勝つ道しか残されていないんだから。

 

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